2009/07/31

「プログラマーのジレンマ」を読んで

チャンドラーの開発経過を取材したライターが描いたものだけれど、他文献の引用や比較をベースに第三者の視点が十分に活かされた良い本だったと思います。

読み終ってからも少しひっかかっている言葉があって、それはピータードラッカーの著書(チェンジ・リーダーの条件 - みずから変化をつくりだせ!)からの引用文でP.220にあります。

…しかし一流の職人や専門家には単に石を磨いたり、粗末な脚注を集めたりしているにすぎないにもかかわらず、何かを成し遂げていると思い込む危険がある。

それで元々のドラッカーの著書も買ってみて、いま読んでいるところです。 元々の文章はもう少し長いのですが、単純にひとりよがりな職人は危険だから注意しろという文脈ではなくて、組織の中で働く末端の人間であっても全体の方向性やその仕事が全体に与える影響について理解しなくてはならないという文脈の中で語られている言葉です。

このドラッカーの言葉自体はチャンドラーに対する戒めの言葉として適当とは思えないけれど、 もっと基本的なところでボディブローのように効いてきます。 自分自身の日々の活動に対して、俯瞰して、客観的に状況を観察できるようにならなければと痛感しました。

0 件のコメント: