2008/06/23

ロボトミーについて軽く調べてみた

一週間の海外出張後に1日休みが日本で取れたので、その間にHDD内蔵テレビに取りだめしておいたコールドケース3をみてみた。ロボトミー手術を受けた女性が凍死する話しで、Googleでロボトミー手術について調べてみた。
1975年に全面的に日本での同手術が中止されてからは、1979年にその15年前にロボトミー手術を受けた患者による医師の家族殺害事件ぐらいが最後の話題だったらしい。そういえばスケバン刑事の映画版にロボトミー手術を受けて植物人間状態になる人がいましたね…。

まぁ同手法のトンデモぶりはともかく、創始者がノーベル医学賞を受けていた事を知ると、ノーベル受賞者の黒歴史本が作れそうな気がします。偉大な賞で価値があると思いますが、しょせんその時代の一面を切り取って評価しているだけという事なのでしょう。
この話題について書かれているblogなどをみていると、精神疾患に対する外科的な手法から薬物治療に移っている事について、薬物治療を受けている人間にでさえ化学的なロボトミー手術をほどこしているかのような見方があるという主張をみました。

Googleさんにお伺いを立ててみると、どうやら薬物治療にも相当の問題があるのは確かなようです。 効果があるからといって安易に投薬される傾向が加速しているようですし、製薬会社も利益のためにそれを望んでいるようです。患者が(例えば他人に知られたくないといった理由で)短時間での改善(というか完治。基準がわかりませんが。)を望むという事もあるのでしょう。
問題点は原因について考察が浅いままに効果について過大に注目した外科的ロボトミー手法の反省が活かされないままに、薬物治療についても同様に「改善しているんだから、薬を(永遠に買って)投与すれば良い」といった血の通わない、患者を人間ではなくてお金に換金できるものとして見ているかのような、商業的な雰囲気が感じられる事にあると思います。

おそらく程度にもよるのでしょうが、ちゃんと患者の立場に立って安易な治療を避ける事ができれば、薬物治療の問題点について触れている事柄のいくつかは改善できるように感じます。
医学的な観点だけでは解決できない社会全体の問題も含んでいて、現実は甘くないという事なのでしょうが、精神疾患は誰の身にも程度の差があるだけで起り得る事なのではないでしょうか。自分は(たまたま)深刻ではないというだけで、自分から遠避けて扱おうとしている事に憤りを感じて、きっとそれが問題の本質的なところなんでしょうね。こんな手法にノーベル賞とは、ちょっと萎えましたが…。こんな事を避けるためにも脳についての研究が進歩する事を願っています。