2009/09/06

録画したNHKの海外ドキュメンタリー「King Corn」をみる

NHKが世界の食をテーマに9月第一週の深夜にドキュメンタリー番組を放映していました。 Wooo用に値下がりした320GB iVDR-S HDDを増設したので、調子に乗って全部録画してしまいました。

テレビ内蔵HDDレコーダーは便利なんですが、見るのが大変なんですよね…。

さてさて、"Pig Business"とかおもしろいものがいくつかありましたが、これは"http://www.pigbusiness.co.uk/"を見た方が早いと思います。 今回は"King Corn"の感想です。

このドキュメンタリーから、アメリカで大規模トウモロコシ農場を運営している農家の考えや、トウモロコシの用途について知る事ができます。まぁ感想は一面的なものですから、それ以外の考えを持っている人もいるはずですが、描かれた真実については興味深いものがあります。

日本の農業について生きる道は大規模化である事は、選挙の前から農業政策についての議論の中で良く言及されています。 大規模化というとアメリカのような形態なのかなぁと漠然と捉えていましたが、今回みた番組はいくつかの点で興味深かったです。

  • アイオワ州で生産される多くのトウモロコシが品種改良され、0.4ヘクタール当りの収量が5トンである事 (タイの米は同面積で2.5トン程度とのこと)
  • 品種改良されたトウモロコシは、加工が必要でそのままでは食べられない事
  • トウモロコシを加工したコーンシロップが作られ、多くの食品に砂糖の代用にされている事
  • 70年代に減反を止め、生産拡大に補助金を支給するよう政策が変更された事
  • ある一農家の感想として、トウモロコシを食料とは捉えておらず、換金のために作るものと考えている事
  • 食肉市場に出す牛はトウモロコシを主食として育てられるが、本来は牛のエサではなく、長期間トウモロコシだけで育てると胃に潰瘍ができてしまう事
  • トウモロコシで育てられた牛肉には脂肪が多く含まれ、自然に放牧された牛と比較して飽和脂肪が7倍程度の9g含まれている事

2008年の石油危機ではバイオエタノールに転用されるトウモロコシに焦点があてられた番組がありましたが、また別の観点から作られた番組もおもしろいものです。

日本も近く減反政策は転換されるでしょうけれど、その先に何があるのか少し心配になりました。 食糧問題全般について市場に任せるというアイデアが良く使われます。 そのすべて悪いとはいいませんが、その結果として淘汰される存在があるという事を忘れてはいけないと思います。

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