2010/04/09

PS3のlinuxをどうすればいいのか…

PS3のシステムソフトウェア 3.21アップデートの お知らせが出され、実際のアップデートがリリースされ、いろいろと困ってしまいました。

今回のアップデートはPS3のハイパーバイザーの制限を回避してハードウェアにアクセスすることができる可能性がでてきたため、その土台となるLinuxを起動することをできなくするというのが主な修正内容になっていると理解しています。

とりあえず感想

まぁソニーとしてはIPを保護しなくてはいけませんし、ソニー以外にも迷惑をかけてしまうわけですから、今回の対応は理解できます。 従うしかないとはいえ、PS3でLinuxをたまに動かすために、PS3の使い道が制限されてしまうのが悲しいところです。

でも理解はしても、IBMのPower系ハードウェアでハイパーバイザを迂回できるという話しを聞いたことがないし、いずれにしてもハイパーバイザの問題はソニーの実装上の瑕疵のような気もするわけです。

そう考えると一方的にユーザーに不利益だけをもたらすような修正を行なって、Linuxを使うようなのはマイノリティだから切り捨てるという姿勢にもみえる今回の対応には憤りを感じています。

とはいえ、アップデートを適用した後で元に戻したいというニーズに対応するのは難しいでしょうし、ソニーにできる事はあまりないんですよね。 けれど現在linuxを使っているユーザーに向けたガイドを整備するといった努力は一切みえません。 アップデートを適用しなければ将来リビングに置かれたPS3はBlu-rayを再生できなくなるかもしれない、という潜在的な恐怖を利用者側に残したまま放置するのはエンターテインメント企業としては問題があるでしょう。

まぁlinuxを使うぐらいなら放置しても自力で対応できるっていうのは分かるんですけどね。 しかし興味本位でlinuxを入れてしまったフリークな方々はとても大事な潜在顧客なわけで、気を使うふりを見せるぐらいのフォローは必要だと思います。

気になっていること

家のリビングに普通にBlu-rayディスクの再生機として使っていますが、時々ゲームやlinuxを動かすことがあります。 また時々ですが、数少ないSuperAudioCDの再生環境としても使っています。

いま3.21を適用しないために遭遇している不具合
  • PlayStation Networkにログインができないため、
    • Storeでのお買い物ができない、評価版、ムービのダウンロードができない
    • オンラインモードでゲームができない

まぁここら辺はしょうがいないですね。 ゲームをオンラインで購入できないのは余計なお金を使わずに済んでいるといえるかもしれません。

3.21の適用に躊躇している理由
  • linuxが起動できなくなる
  • 頻繁に使っていないからlinuxを捨てても良いのかもしれないけれど、元に戻れないし、CELLのプログラミング環境を後から調達するのは難しそう
  • linuxを捨てた後で、フォーマット以外に割り当てたHDDの区画をPS3側に取り戻す事ができなさそう
  • 新しいPS3を買う余裕はない
  • 新しいPS3を買うなら、現状のまま放置しなきゃいけない。データの移行はどうすればいいんだろう…。
将来に向けての不安

いつかはシステムソフトウェアをアップデートするしかないでしょうね。

  • Folding@homeに参加できなくなる、かもしれない
  • 新しく発表されるゲームソフトが遊べない、かもしれない
  • Blu-rayディスクを再生するために必要な復号キーの更新ができない

ちなみに現時点でのFolding@homeの統計は次のようになっています。

Last updated at Wed, 07 Apr 2010 05:01:28

OS Type  	Native TFLOPS*	x86 TFLOPS*  	Active CPUs 	Total CPUs
PLAYSTATION®3 	991  	2091 	35142	951823

いまのところゲームソフトで遊ぶために、どのレベル以上のシステムソフトウェアが必要かはパッケージをみても明記されていません。 将来的に、もし動かないという事になればアップデートがゲームディスクに含まれるかもしれませんが、購入前に分からないと意味がないでしょう。

また購入したBlu-ray Diskを再生してみるまで、システムソフトウェアのバージョンアップが必要かどうかわかりません。 これは本当に再生してみるまで分からないという事になるのでしょう。

おそらく何等かの不具合を体験するのは、1,2年は後のことなんじゃないかという印象を持っています。 それに今回の対応をみていると、再生できないBlu-rayタイトルのリスト提供(網羅できないだろうけれど)といったフォローもないんだろうなぁと感じています。

まとめらしきもの

一方的でフォローの少ないソニーの今回の対応はPS3でLinuxを動かす人を脅威とみなしているというメッセージにもみえます。 あるいは、ソニーは被害者だという意識を(無意識に)持っているために、フォローにまで目が向かないのかもしれません。

PS3の役割が変化したというのが大きな理由なのでしょうけれど、いろいろと残念な結果になってしまいました。

今回のアップデートはソニーからの「ゲーム、BD再生は新型PS3で」というメッセージなのかもしれません。

いっそ旧世代のPS3を持っているユーザにクーポンを発行して、ゲーム機、BD再生機としての役割は新型の薄型PS3に移行させてくれないかなぁ。

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