NHKの19路あらの夜のニュースの後の「クローズアップ現代」で、親の低所得などを背景として子供たちが医療機関にかかる事が難しくなっているという特集をやっていました。
子供たちが、たまたま自分の親の都合で、医療を受けられないなどの理不尽な状況に置かれている事に心が痛みます。
「勉強して偉くなる」という価値観ではもはやないのかもしれませんが、子供たちの可能性を周りの環境が抑えつけるべきではないし、親の所得なんかに関係なく教育も医療も十分受けられなければいけないと強く思います。
県レベルで中学生までの医療費を無料にした事例が紹介されていましたが、先行実施した前橋市の事例では重篤化する前に医療を施す事によって、トータルの医療費負担を下げる事ができるだろうという関係者のインタビューが紹介されています。
この番組でも強調されていましたが、これまで個人負担を引き上げる事で医療費の抑制を図ってきた事に対する反証として、積極的な医療によって医療費を抑制可能だとする例が紹介されていました。
これまでの日本が横並びの護送船団方式だったとして、その転換点が今だとすれば、社会的な弱者である子供たちや低所得層に対する手厚い保護を行なう事でバランスを取るべきでしょう。
その一方で保護を受ける事を当然の権利とは考えずに、それに頼らずにやっていけるところを目指そうとするモラル意識の高さも求められるのだろうと思います。
でもこういった保護を将来は受けずに自立するべきだという、誰もが反論しがたい理屈を背景にして、生活保護の受給を切ったりする役所、役場の窓口担当者は生活保護を受ける立場になって欲しい。あ、でも担当者と顔見知りだから、別に困らずちゃんと生活保護が受けとれるか…。
何にしても「目指そう」という意識と「目指さなければいけない」という意識は、後者が鬱屈した心持ちが背景にみえるところから、かなりの違いがあると思います。
立場が弱くなり折れてしまった心は時間をかけて癒す必要がありますが、わざわざ心を折るような施策や周囲の環境は排除しなければいけません。
保険料の自己負担が高くなる以前には、安易に医療を受ける事などが報道されていました。
いま救急車をタクシー代りに使おうとするような、これは本当に想像できないんですけれど、モラルの低さが目立っている点が気になります。
本来なら所得と関係なしにこういった行為を行なう人はいるはずですが、こういった子供たちや低所得者層への施策に対する抵抗力として利用されないか心配です。
今回のクローズアップ現代は、今後の政府の施策として医療費の無料化などを訴えていて、かなり踏み込んだ内容になっているところがみていておもしろかったです。
最近のNHKの番組のいくつかは、なかなか気にいっています。受信料も払っているし、頑張ってもらわないと。
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