2008/12/18

逆チキンレースが生んだ日本の不況

日本の実態経済はそれほど悪くないと思っているんですが、株価の下落、急激な円高で資金繰りというか資産が目減りした銀行のみかけ上の経営環境が悪化しているのは確かで、これによって貸し渋りが発生するというひどい事になっている側面は確かにあるようです。

貸し渋りがなければ給与カットをする必要がなかった企業も中にはあると思うのですが、自己資本比率の維持が至上命題なのか、中小企業をいじめているとしか思えない現在の状況は他人を思いやるといった日本が本来持っている土壌が失なわれている様をみているようで悲しくなります。

もっとも企業側も安易にリストラを進めている感じはします。優秀な移民を受け入れるでもない日本の社会では、将来を見据えて人を育てる努力が必要だと思いますが、変なところがアメリカに似てきてしまっているようです。
株主のために会社はあるというけれど、所詮は社会のために存在を許されているものでしかありません。社会の中での立ち位置や将来という不確実なものを信じる事は許されず、短期的な株主の利益追求に巻き込まれてしまっている物がいえない会社という入れ物は不幸な存在なのかもしれません。

本来は他の見本となるはずの一流企業、銀行を筆頭に、みんなで逆チキンレースをやっているようです。

政治も行きすぎがないようにルール作る必要があるのに何もできていないし。

ただ終身雇用の実態だけが継続していて怠けている人が淘汰されない環境があるとすればそれは問題でしょう。必要なのはバランス感覚と実行力といったところでしょうか。
このような困難な状況でこそ経営者の真の力量(=バランス感覚+実行力)が問われているのだと思います。

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