2010/03/21

もしLED電球の価格が毎年5%づつ下がったら…

一番最初に書いておくべきだと思うのですが、この手の「〜にするべきか」という話題は観点によって答えが変化します。 世の中の流行という精神的圧力やLED電球・電球型蛍光灯の製造・環境コストなどは考慮していないので、こういう考え方もできるという視点で読んでください。

家電量販店ではLED電球を売り出しています。 広告をみると10年間や5年間ベースで、買い替える必要もなく経済的だと宣伝しています。

ここに引っ越して2年近く経ちますが、機会のある度に電球型蛍光灯に切り替えて、古い白熱電球が残っているのは1,2個所でしょうか。それもほとんど使っていないところだけです。

そこで次はLED電球なのかなと思ったのですが、いろいろ調べてみると私のようなアパート住まいには、この流行りに乗るのはまだ早いのかもしれないと考るようになりました。

ランニングコストを試算するための仮定

広告などを参考に価格、電気代や寿命について、次のような想定をしました。

  • 白熱電球
    • 本体価格:100 (円/1個)
    • 電気代:20 (円/日)
    • 寿命:1,000 (時間)
  • 電球型蛍光灯
    • 本体価格:1,000 (円/1個)
    • 電気代:4 (円/日)
    • 寿命:6,000 (時間)
  • LED電球
    • 本体価格:4,000 (円/1個)
    • 電気代:2 (円/日)
    • 寿命:40,000 (時間)

電気代を詳しくみてみると、1日で12時間使った場合と24時間付けっ放しで使った場合の1年間の電気代は次のようになります。

  • 1年間の電気代 - 12時間
    • 白熱電球:3600円
    • 電球型蛍光灯:720円
    • LED電球:360円
  • 1年間の電気代 - 24時間
    • 白熱電球:7200円
    • 電球型蛍光灯:1440円
    • LED電球:720円

この差をどう評価するのか難しいですが、電球の値段でみると、少なくとも白熱電球から電球型蛍光灯には変えた方がお得なようです。

24時間使い続ける場合でも電気代だけをみてLED電球を選択するのは難しそうです。 とりあえず5年後ぐらいのLED電球の価格を想定して、グラフを描いてみました。

もし毎年LED電球の値段が5%づつ下落したら…

ランニングコストが安くても、4000円もするLED電球の投資を回収する期間はどれくらいになるのでしょう。

それにまだ生産が始まったばかりの製品ですから、年々コストは下がっていくはずです。 もっと後になってから購入した方がお得かもしれません。

1日に12時間使う場合

仮に1日に12時間使った場合のランニングコストをグラフにしてみました。 これには寿命が経過した製品を新規に購入するコストも含まれています。

白熱電球や電球型蛍光灯の価格変化はなく、LED電球は毎年5%ずつ価格が下がります。 とはいえ長寿命の製品ですから9年後になって、やっと約2,500円で更新することになります。

1日12時間使った場合のランニングコスト

「5年後」の線は、いまは電球型蛍光灯を使って5年後に価格の下がったLED電球に乗り換えたと想定した場合のグラフです。毎年、価格が5%づつ下がる仮定なので、5年後のLED電球の価格は3,095円になります。 コストへの反映は翌年の6年後ですが、電球型蛍光灯を更新するよりも経済的になるのは3年後です。

5年後に、さらに3年後を見越してLED電球に投資するかどうか、判断できるでしょうか…。

もし24時間使う場合

付けっ放しであれば、ランニングコストも上がりますが、回転が早まるため投資を回収する期間は短くなります。 こういう場合は早めにLED電球に切り替えた方がお得でしょう。

1日24時間使った場合のランニングコスト

これぐらいなら、まぁLED電球でも良いかもしれません。 もっと値段が下がると思えば、1,2年は様子をみても差はあまりなさそうです。

1日に6時間使う場合

しかし1日6時間使用した場合にはどうなるでしょう。

1日6時間使った場合のランニングコスト

だんだんとLED電球と蛍光灯との差が狭くなってきました。6時間程度であれば10年以上使用しても差額は2,000円程度です。

後でまとめで述べるような不慮の事故を考慮するとLED電球に投資するのは危険かもしれません。

1日に2時間使う場合

これを1日2時間程度使った場合にすると、次のようになります。

1日2時間使った場合のランニングコスト

ここまで使用頻度が低いと、LED電球にする意味はないですね…。 しかし特筆するべきは白熱電球の圧倒的なコストパフォーマンスの悪さです。

まとめ

グラフから判断できたことは、使用時間が短くても電球型蛍光灯にするのがベストな選択といえそうなこと。 それはとにかく白熱電球のパフォーマンスが悪すぎることに起因しています。

白熱電球の単価は安いですが、次に切れた時には少なくとも電球型蛍光灯に変えた方がいいでしょう。

それにケースバイケースですが、電球型蛍光灯を途中で新品に交換する事になったとしても、少なくとも2,3回交換しても、元は十分に取れそうだということです。

それ以上に壊すのであれば白熱電球を使い続ける理由になりそうですが、おそらく別の何かを見直した方がよいのではないでしょうか。

考慮点

長時間 and 長期間使う場合、LED電球に切り替える事でコストを削減することができそうです。 しかしアパート住まいで長期間は住まないとか、色を変えたいとったニーズの変化も考慮に入れる必要があるでしょう。

もし途中で一回でもLED電球を新品に交換してしまうと、電球型蛍光灯を時々壊しながら更新し続けた方が経済的になってしまいます。

子供が何かをぶつけて壊してしまうかもしれませんし、長期使用できるか自信がないなら、とりあえず電球型蛍光灯にするのが良さそうです。 一軒家でなければまだLED電球は時期が早いのかもしれません。

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